昔の宿へ、今の旅人は自分の物語を背負ってやってくる|赤沢宿のカフェ・清水屋
昔の巡礼者は、宿に札を残した
赤沢宿は、身延山久遠寺と七面山を結ぶ参詣道の途中にあります。かつては、各地から「講」を組んで参詣に訪れる人々を迎える宿場でした。古い旅籠には今も「マネギ札(講中札)」が掲げられています。講の人たちが持ち込んだ札で、なじみの宿であることを示していました。この土地には、昔から遠方の旅人が繰り返し訪れていたのです。
今は『ゆるキャン△』を見た人が坂を上る
『ゆるキャン△ SEASON2』では、志摩リンが早川町を訪れます。清水屋の口コミにも、作品に登場した豆餅や甘酒を注文した人、リンと同じ場所に座った人の体験が残っています。二階には、山里を見渡せる座敷があります。4月の肌寒い日にこたつで温まり、麦茶を飲みながら焼きたての豆餅を待ったという口コミもあります。作品で見た坂道を自分の足で上り、リンが訪れた場所に座ってみる。アニメをきっかけに、赤沢宿まで足を運ぶ人たちがいます。
豆餅が売り切れても、また戻ってくる
ある人は、『ゆるキャン△』の聖地巡礼で清水屋を訪れました。目当ての豆餅は売り切れていましたが、飲み物やアイスを注文して二階で過ごしました。その後、赤沢宿の夜のライトアップを見に再訪し、別の年には豆餅と甘酒を味わいに戻っています。夏に訪れたあと、今度はこたつに入りたくなって戻ってきた人もいます。紅葉を眺めながら豆餅を食べ、「帰りたくない」と書いた人もいました。豆餅、夜景、こたつ、紅葉。最初は作品や豆餅が目当てでも、そこで過ごした時間が、次に訪れる楽しみにつながっているようです。
旅の途中に、腰を下ろせる場所
好きな作品に登場した二階の座敷に、自分も座ってみたい。季節が変わった赤沢宿を、もう一度訪ねてみたい。同じ座敷に腰を下ろしていても、旅人にはそれぞれ、ここまで来た理由があります。何を楽しみに、赤沢宿まで足を運んだのでしょう。そんな思いに目を向けると、この小さなカフェで過ごすひとときも、また違って見えてきます。
ひと押ししてもらえると、次に何を調べるかの参考になります。