ビジネスモデル

挑戦者の勝機!小さな会社のランチェスター戦略ビジネスモデル

目次

ビジネスモデルとは

ビジネスモデルとは、企業や組織が何かしらの価値を創造し、その価値を収益化するための仕組みや枠組み(フレームワーク)のことを指します。

具体的には、企業が顧客のニーズを満たすために独自のアイデアや製品を提供し、それを売り上げや利益につなげるための戦略と言うことができます。

そのためには、製品やサービスの提供方法、収益化の手段、市場参入戦略、顧客との関係の構築など、ビジネスの要素を組み合わせた戦略的な仕組みが必要です。

特に、小規模の会社が、弱者の戦略でビジネスモデルを構築するためには、ランチェスターの法則を活用し、顧客ターゲットを絞り込み、彼らのニーズに対応するという一点集中のアプローチが非常に重要です。

海外のビジネスモデルの成功事例を見ると、トレンドは特定の顧客層をターゲットにし、彼らのニーズに応えることで顧客との関係を構築しています。

また、個別の顧客の要望に合わせて商品やサービスをカスタマイズする戦略が主流となっています。現代ではオンラインの普及により、そのような流れがより速く進んでいます。

このようなトレンドを意識しつつ、小規模の会社が今後目指すべきビジネスモデルの構築について解説していきたいと思います。

※ランチェスターの法則によれば、小さな企業や弱者が差を埋めるには、独自性を出すこと(差別化)と顧客とのつながりを築くこと(接近戦)が重要です。

ビジネスモデルの構成要素(3W1H)

ビジネスモデルの構成要素は、「誰(Who)」「なぜ(Why)」「何(What)」「どのように(How)」の大きく分けて4つに分類されます。これらはマーケティングの基礎を築く重要な要素です。

Who(誰)=顧客セグメント

ビジネスモデルの基盤となるWho(誰)=顧客セグメント(Customer Segments)を決定する要素です。

セグメントとは、細分化されたグループや部分のことを指します。この要素は、ペルソナを含め、ビジネスにおけるターゲット層を特定するものです。

ペルソナとは、商品やサービスを使用する顧客を具体的にイメージすることで、あるビジネスモデルがターゲットとする顧客を明確にするための仮想上の人物です。

具体的には、特定の年齢や性別、趣味や関心を持つ人々など、特定のグループ(セグメント)を指します。

一部のケースでは、より深い理解を得るために、ターゲット顧客のニーズを掘り下げる必要があります。

また、原体験や幼少期の影響などを考慮することもあります。

自社が顧客にとって独自で特別な存在となるためには、顧客の深いニーズを探り、それに応えることが重要です。

駅前のカット専門店:QBハウスのペルソナの実例

QBハウスは、10分1,000円賑わう駅前カット専門店です。
リーズナブルな料金で高品質なカットを提供するというビジネスモデルで、他の競合店との差別化を図っています。

QBハウスのペルソナは、男性を中心に幅広い年齢層の忙しい人々で構成されています。

ペルソナで特定されたターゲット層には、手軽で経済的な価格で髪を切るというニーズが存在しています。
また、待ち時間が少なく駅前や便利な場所に店舗があることも重要な要素です。

QBハウスのペルソナは、以下のように説明できます。

QBハウスのペルソナ
・性別: 「男性」
・年齢: 「20代から50代までの幅広い年齢層」
・職業: 「オフィスワーカーや学生など、忙しい日常生活を送る人々」
・利用目的:
「 便利で手軽な髪のカットを求める、短時間でスタイリッシュなヘアスタイルを手に入れたい」
・特徴:
「経済的な価格帯に敏感で、高品質なカットをリーズナブルな料金で受けたいと考える。また、待ち時間の少なさや店舗の立地の良さも重視する」

Why(なぜ)=収益の流れ

Why(なぜ)=収益の流れ(Revenue Streams)では、なぜ顧客がその商品やサービスを選ぶのかという顧客ニーズと収益の関係性を明確にする必要があります。

収益の流れの要素である「なぜ」には、顧客がその商品やサービスを選ぶ理由があるはずですから、それをはっきりさせるということです。

顧客にとっての付加価値や他社との競争優位性をはっきりさせることで、なぜその商品やサービスが利益を生み出せるのかを知ることが大切です。

What(何)=提供価値

What(何)=提供価値(Value Propositions)を決定する要素です。この要素は、顧客に対して提供する商品やサービスの価値を明確にするものです。

顧客は何を得ることができるのか、どのような問題を解決し、どのような価値を提供するのかを決定します。

市場の需要や競合状況を分析し、自社の商品やサービスが他の選択肢よりも優れている点や独自の強みを洗い出します。

そのうえで、顧客に対して魅力的で差別化された特徴やメリットを提供することが大切です。

How(どのように)=実行手段

How(どのように)の要素では、具体的な実行手段やプロセスにスポットを当てます。

提供する商品やサービスを顧客にどのように届けるのか、どのような手続きや方法を使って価値を提供するのかを明確にしたオペレーション(業務フロー)の部分です。

具体的には、提供方法、販売チャネル、生産方法、供給チェーン、品質管理、物流、顧客サービス、配送方法、カスタマーサポートなどの手段です。

ビジネスモデルを作るメリット

ビジネスモデルは、事業を進める上で、何が重要であるかをはっきりさせ、その方向性を明確にするために役立ちます。

実際の事業展開では、多くの要素が複雑に絡み合いますから、事前にビジネスモデルを策定しておくことが重要です。

また、ビジネスモデルは一度作成して終わりではありません。顧客のターゲットやニーズが変化した場合、ビジネスモデルを再構築する必要があります。

たとえば、野球でバッティングがうまくいかない場合、なぜ打てないのかや元のフォームはどうなっているのか、それを修正するためにはどのようなアプローチが必要なのかといったことを考え直しますが、ビジネスモデルにおいても同様です。

顧客の変化やニーズに合わせて、再度しっかりとペルソナや要件を把握する必要があります。

これらのことを含めビジネスモデルを作るメリットには次のようなものが挙げられます。

指針となる計画

ビジネスモデルの構築は、ビジネスの方向性や目標を明確にするための重要なガイドラインです。

ビジネスモデルを作成することにより、具体的な計画を立てて事業を展開し、収益を上げる方法を明確化することができます。

ビジネスを成功させるためには、しっかりとしたビジネスモデルを構築するだけでなく、協力するパートナーとの十分な共有も必要です。

そうでなければ、ビジネスが始まってからオペレーションが混乱し、失敗してしまう可能性もあります。

事前に明確な方向性を確認するためにビジネスモデルの構築は必要不可欠です。

収益の最大化

ビジネスの収益を最大化するための手段を考える上で重要な役割を果たします。

ビジネスモデルを構築することで、収益の源泉や価値提供の仕組みを最適化することができます。

しかし、ビジネスを進めていく過程で顧客のニーズも変化することがあります。さらには、新たな顧客のニーズに気付くこともあります。

そのような場合には柔軟にビジネスモデルを調整し、収益を増やす機会を逃さないようにする必要があります。

リスクの管理

ビジネスモデルはリスク予測と管理のためのフレームワークです。

ビジネスを成功させるためには、ビジネスモデル作成によってリスク要因を特定し、適切な対策を講じることが必要です。

ビジネスモデルキャンバスやSWOT分析、3Cを活用し、ビジネスモデルの弱点を克服すると良いでしょう。(※後ほど述べます)

パートナーシップや投資の獲得

外部のパートナーや投資家との協力や資金調達を行う際にも役立ちます。

具体的なビジネスモデルを示すことで、他者を説得しやすくなり、パートナーシップや投資を獲得しやすくなります。

ビジネスモデルの作り方

小さな会社が競争力を高めるには、他社とは異なる視点から、独自のビジネスモデルを構築する必要があります。

以下の要素を考慮することで、リソースのハンディを克服したビジネスモデルを作ることができます。

リフレーミングすることを考える

リフレーミングは、状況や問題を新しい角度から見る手法です。これにより、固定的な考え方にとらわれず、新たなアイデアや解決策を生み出すことができます。

ビジネスモデルの構築においては、弱者が成功するためにはマインドセット(無意識の思考パターン)を変えてリフレーミングすることは非常に重要です。

例えば、食べ物をアート作品として捉えることで、新たな市場価値を創造した例もあります。

このリフレーミングの成功例として、フタバフルーツなどの企業が挙げられます。

自社の強みを活かして参入障壁を作る

ビジネスモデル構築において、参入障壁は重要な要素です。自社の強みを追求することで、他社が真似できない独自性を生み出すことができます。

重要なことは、参入障壁を予め考えるのではなく、むしろ結果として生じる差別化こそが圧倒的な差別化に繋がるということです。

そのためには、顧客からどのようなイメージを持たれているかを明確に把握することが必要です。

できればその市場において、唯一無二の存在となることが望ましいです。

限られたリソースを効率的に活用する

ビジネスモデルにおいては、コスト削減や生産効率化、パートナーシップの活用など、効率的なリソース管理が求められます。

資金や人材などのリソースを適切に配分し、限られた予算の中で最大限の成果を上げることが重要です。小さな会社は、限られたリソース(経営資源)を最大限に活用することが必要です。

商品やサービスを差別化し市場を特化する

自社の強みや特徴を活かし、他社との差別化を図るためには、顧客ターゲットとそのニーズを徹底的に調査し、その反応を評価することが重要です。

特に、小さな企業が成功するためには、独自の市場ニーズに応えることが不可欠ですから、徹底的なマーケティング調査が必要です。

マーケティングの調査は、ルアー釣りのキャスティングに似ています。狙いを変えたり、ルアーに工夫を加えたりしながら、試行錯誤を繰り返して成功を目指します。

単に思いついたアイデアだけでビジネスを立ち上げても、上手くいく確率は低いでしょう。成功するためには、しっかりしたマーケティング調査が必要です。

マーケティング調査に十分な予算がない場合でも、検索キーワードを活用することで、ターゲットとなる顧客の意図を把握し、市場の規模を予測することができます。

ビジネスモデル構築のための7つのフレームワーク

ビジネスモデルの分析において、フレームワークは、ビジネスの構築や戦略立案に役立つツールとして活用されます。

それぞれの特徴や使い方を理解し、適切に適用することで、ビジネスの成功につなげることができます。

次の項目では、ビジネスモデルキャンバス、ピクト図解、9セルフレームワークなど、7つの有用なフレームワークについて詳しく解説していきます。

ビジネスモデルキャンバス


ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスを成功させるための全体像を描くツールです。ビジネスの要素を1つのキャンバス上に配置し、全体的な戦略を明確にすることができます。
ビジネスモデル構築には、非常にわかりやすいフレームワークです。

以下にビジネスモデルキャンバスの主要な要素を説明します。

誰に何をどうやって

どのような商品やサービスを、どのような方法で、顧客に届けるかということです。

  • 顧客セグメント(CS)
    顧客セグメント(Customer Segments)は、ビジネスモデルの構成要素である「誰(Who)」を特定する役割を担っています。
    顧客のニーズや特徴を把握し、ターゲットとする市場セグメントを明確にする役割を果たします。
  • 価値提案(VP)
    価値提案(Value Propositions)は、顧客に提供する利益や価値を明らかにするものです。
    ビジネスモデルにおいて、顧客のニーズに適切に応えるためには、価値提案(VP)をビジネスモデルの構成要素である「What(何)」に組み込むことが重要です。
  • 顧客との関係(CR)
    顧客との関係(Customer Relationships)は、顧客との関係性を構築・維持するための戦略や活動を指します。
    顧客とのコミュニケーションやサポートの方法、顧客のニーズや要求にどのように応えるかを考えます。
    例えば、顧客との関係が継続的なサービス提供に基づく定期的なものであったり、一度きりの商品販売に基づく一時的なものであったりします。
    CR戦略としては、顧客とのコミュニケーション(SNSなど)や対話の促進、顧客サポートの提供、顧客のフィードバックの収集と活用、顧客に対する特別なサービスや特典の提供などがあります。
    CRでは、顧客との信頼関係や忠誠度を高めるために、顧客との接点やコミュニケーション方法を設計することが重要です。
  • チャネル(CH)
    チャネル(Channels)は、ビジネスモデルの構成要素の一つであり、商品やサービスを顧客に提供するための経路や手段を指します。
    例えば直接販売、インターネット販売、オンラインプラットフォーム、小売店、代理店など、最適な販売経路を選択する必要があります。
    これには、小売業者、流通業者、物流パートナーなどといったチャネルパートナー(Channel Partners)との関係も含まれます。

収益と費用

  • 収益の流れ(RS)
    収益の流れ(revenue stream)は、ビジネスモデルにおいて「Why(なぜ)」を特定するための重要な構成要素です。
    なぜ顧客があなたの商品やサービスに関心を持ち、それに対して支払いを行うのかを理解することで、収益を生み出すための適切な戦略や収益モデルを構築することができます。
  • コスト構造(CS)
    コスト構造(Cost Structure)は、ビジネスを運営するために必要な費用やコストを考慮します。
    人件費、生産コスト、広告宣伝費、物流費などが含まれます。
    ビジネスの収益とのバランスを保ちつつ、効率的なコスト管理を行うことが重要です。
    また、製品の購入費用、サブスクリプション料金、利用料金など顧客コストを適切に設定し、顧客がコストを受け入れるかどうかを考慮しながら付加価値を提供する必要があります。

組織の構造

  • 主要活動(KA)
    主要活動(Key Activities)は、ビジネスモデルの中で重要な役割を果たす活動やプロセスを指します。
    ビジネスモデルの構成要素である「How(どのように)」に該当します。ビジネスがどのように価値を提供するか、どのように製品やサービスを提供するかなどを特定する役割を担っています。
    例えば、製品の開発や製造、販売活動、マーケティング、カスタマーサポートなどが主要活動の一部です。
    ビジネスの成功には、これらの主要活動を適切に設計し、顧客ニーズに応じた効果的な活動を展開することが必要です。
  • 主要なリソース(KR)
    主要なリソース(Key Resources)は、ビジネスを遂行するために必要な重要な資源です。これには物理的な資源(設備、機械、技術など)や知識・情報、人材、ブランドなどが含まれます。
    人材、技術、物理的な資産、パートナーシップなど、重要な資源を明確にし、必要なリソースを明確にします。
  • 主要なパートナー(KP)
    主要なパートナー(Key Partners)は、ビジネスモデルの構成要素の一つであり、ビジネスの成功に欠かせない重要な関係を持つパートナーを指します。
    ビジネスモデルの設計や実行において戦略的な役割を果たすため、適切なパートナーを選択し、パートナーシップを構築することが重要です
    また、ビジネスモデルによっては外部のパートナーとの提携関係を築く必要があります。具体的には、提携や共同事業、サプライヤーとの協力など、ビジネスの成果を高めるためのパートナーです。

SWOT分析


SWOT分析は、組織やプロジェクトの内外要素(強み・弱み・機会・脅威)を整理して、戦略を考えるためのツールです。

ビジネスモデルキャンバスと組み合わせることで、収益に関わる顧客セグメント(CS)や価値提案(VP)などの重要な要素を見直すことができます。

以下にSWOT分析の主要な要素を説明します。

内部の強み(Strengths)

強み(Strengths)は、組織やプロジェクトが持つ内部の利点や強みを指します。例えば、特許技術の保有や優れた顧客サービス優秀な人材などが挙げられます。

内部の弱み(Weaknesses)

弱み(Weaknesses)は、組織やプロジェクトが他社と比べて劣っている点や改善が必要な課題を指します。例えば、製品の品質が低く、資金や人材が限られているなどの状況が考えられます。

外部の機会(Opportunities)

機会(Opportunities)は、組織やプロジェクトが外部環境で活用できるチャンスや可能性を指します。
例えば、新たな市場や技術の進歩によって生まれる需要を見つけ出すことで競争力を高めることなどが考えられます。

外部の脅威(Threats)

脅威(Threats)は、組織やプロジェクトにとっての外部リスクや課題を指します。
例えば、競合他社の台頭、法的な変更や規制の強化、市場の飽和などが脅威となる可能性があります。

以下では、これらの要素を組み合わせた例を挙げます。

  • 強み × 機会
    組織の強みを活かし、市場でチャンスをつかむ戦略です。
    例えば、優れた製品開発能力(強み)を持つ組織が市場のニーズ(機会)に積極的に応えることで、競争優位性を確立することができます。
  • 強み × 脅威
    組織の強みを活かし、外部の脅威に対抗する戦略です。
    例えば、強力なブランドイメージ(強み)を持つ企業が競合他社の進出(脅威)に対抗するために、ブランド価値を強化し顧客のロイヤリティを高めることが考えられます。
  • 弱み × 機会
    組織の弱みを克服し、市場のチャンスを活かす戦略です。
    例えば、限られた資金や人材(弱み)を持つ組織が、新たな収益率が高い市場へ進出(機会)し、成長することができます。
  • 弱み × 脅威
    組織の弱みに対処し、外部の脅威に対抗する戦略です。
    例えば、競合他社の台頭(脅威)に対して製品品質の向上や経費削減などの弱みの改善に取り組むことで、競争力を維持・向上させることが考えられます。

このように4つの要素を組み合わせることで、ビジネスモデルキャンバスでは分かりにくかった脅威や弱みが明確になります。

たとえば、田舎暮らし物件の仲介ビジネスモデルを考えてみましょう。

ビジネスモデルキャンパスにSWOT分析を重ね合わせると、以下のような脅威や弱みが見えてくるかもしれません。

具体的には、次の1から3のポイントが考えられます。

  1. 顧客セグメント(脅威):競合他社のCSと重複している
    ・都市部でのストレスや喧騒から逃れたい人々
    ・自然環境や農業体験を求める人々
    ・第二の住居やレジャー施設を探している人々
  2. 価値提案(脅威):競合他社のVPと重複している
    ・自然豊かな環境や美しい景観の提供
    ・安価な田舎暮らし物件の提供
    ・農業や自給自足の支援やコミュニティへの参加
  3. チャネル(弱み):競合他社ほどのCHがない
    ・ウェブサイトを通じた情報の提供
    ・不動産エージェントや仲介業者を通じた物件の紹介
    ・地域のイベントや展示会を通じた情報発信と顧客獲得

これらの分析結果からわかるように、市場には競合他社が数多く存在し、ハードルが高い一方で、顧客の多様なニーズも明らかです。

そこで、アプローチを変えて、他の要素を取り入れたビジネスモデルを考案してみましょう(リフレーミング)。

すると、次のような新たなビジネスアイデアが生まれるかもしれません。

  1. ネイチャー・リトリート(自然の隠れ家)としてのビジネスモデル
    自然に囲まれた穏やかな環境でリラックスできる場所を提供する。
    ストレス解消やヘルスウェルネスを促進するプログラムやサービスを提供する。
  2. インベストメント・オポチュニティ(投資チャンス提供)としてのビジネスモデル
    高い収益や資産価値の向上を目指す投資家向けの不動産提案を行う。
    成長が見込まれるエリアや需要の高い物件にフォーカスする。
  3. クリエイティブ・リトリート(創造性の場としての隠れ家)としてのビジネスモデル
    インスピレーションと創造性を求める芸術家や作家、クリエイティブな人々に、リフレッシュできる場としてワークショップや非日常空間を提供する。

このように、複数のフレームワークを組み合わせることで、自社の強みと市場のニーズにマッチしたビジネスモデルを作り上げることができます。

ピクト図解


ピクト図解は、情報やアイデアを図やアイコンを使って視覚的に表現する手法です。
通常の文章やテキストだけでは伝えにくい内容を、シンプルなアイコンや図形を選び、まとめることで、視覚的に分かりやすくすることができます。

ビジネスモデルを分析する際には、Who(誰が関与するか)、What(何を提供するか)、Why(なぜそれが重要か)、How(どのように実現するか)という要素をシンプルな図やアイコンを使って表現することが重要です。

ピクト図解は、3つの要素で簡潔にまとめられます。

  • エレメント
  • エレメントとは、ビジネスの中で登場する人々(会社や個人)、商品やサービス(〇)、そしてお金(¥)を表す要素です。

  • コネクタ
  • コネクタは、エレメント同士をつなぐ線や矢印のような要素です。
    商品やサービスの流れは、矢印を塗りつぶした形で表現し、お金の流れは通常の矢印で示します。矢印の方向を見るだけで、ビジネスの関係性が一目でわかります。

  • オプション
  • オプションは、ピクト図をよりわかりやすくするために補助的に使用される要素です。「タイムライン」という時間の流れを表すものや複数の流れをひとまとめに表示するための要素などがあります。

ビジネスモデルのピクト図解において重要なポイント

ピクト図解を作成すると、商品やサービスのやり取りの流れが明確になり、収益が増加するような感覚を抱くかもしれません。
しかし、ピクト図解はあくまでもその流れを示すものに過ぎません。
収益はむしろ、顧客のニーズを満たすことによって生まれますから、この点を見逃さないようにすることが重要です。

9セルフレームワーク


9セルフレームワーク(9 Cell Grid)は、ビジネスモデルの戦略的な分析手法です。横軸にWho(誰)、What(何)、How(どのように)という3つの要素、縦軸に関連する要素を並べ、9つのセルを配置します。

これにより、ビジネスモデルの全体像を整理し、評価・分析することができます。

9セルフレームワークは、ビジネスモデルキャンパスと重複する要素も多いのですが、より戦略的に分析することができるメリットがあります。

両方のツールを組み合わせて使用することで、より効果的なビジネスモデルを構築できます。

ここでは、9セルフレームワークの要素のうち、ビジネスモデルキャンパスと共通する部分を強調しています。

ビジネスモデルキャンパスを作成した後、それを9セルフレームワークに組み込むことで、より戦略的なアプローチを取ることができます。


Who(誰)
顧客価値:顧客は誰か(顧客セグメント= CS)
利益:誰から得るか
段取り:誰と組むか(主要なパートナー= KP)


What(何)
顧客価値:何を提供するか(価値提案= VP)
利益:何で得るか
段取り:何が強みか


How(どのように)
顧客価値:どう実現するか(チャネル= CH)
利益:どう得るか(タイミング)
段取り:どう取り組むか(主要活動= KA)


3C


3Cとは、ビジネスモデルの収益性や基本構造を明確にするための重要な要素です。会社(Company)顧客(Customer)競合他社(Competitor)の要素を分析するフレームワークです。

この分析により、会社の強みや弱み、顧客のニーズや要求、競合他社の戦略や市場シェアを把握することができます。

この情報をもとにして、ビジネスの収益性他社との競合領域や問題を見つけ出し、ビジネスモデルの見直しを検討することが重要です。

SCAMPER法

SCAMPER法は創造性やイノベーションを促進するためのツールです。7つのアクションを考えることで、創造的な発想と新しいアイデアを取り入れ、革新的なビジネスモデルを構築することができます。

以下に、SCAMPER法の各ステップとその利用方法を説明します。

  1. Substitute (代替)
    既存の要素やアイデアを代替する方法を考えます。例えば、他の分野のアイデアを自社のビジネスモデルに適用するなどが考えられます。
  2. Combine (結合)
    異なる要素を組み合わせることで新しいアイデアを生み出します。例えば、複数のサービスや製品を組み合わせて、競合他社が思いもつかないような付加価値を提供することができます。
  3. Adapt (適応)
    他の分野や業界のアイデアを自社に適用することで、新しい解決策を見つけます。海外企業の成功事例を参考にすることをオススメします。
  4. Modify (修正)
    既存の要素やアイデアを修正することで改善策を見つけます。例えば、プロセスやデザインの改良、価格の調整などが考えられます。
  5. Put to other uses (他の用途への利用)
    既存の要素やアイデアを別の用途や市場に応用することで新たな価値を創出します。例えば、製品やサービスを異なるターゲット層に提供することが考えられます。
  6. Eliminate (除外)
    既存の要素やアイデアを除外することで、効率性やシンプルさを向上させます。例えば、不要な機能やコストを削減することで使いやすさを向上させることが考えられます。
  7. Reverse/Rearrange (逆転/再配置)
    要素やアイデアの順序や方向性を逆転させることで新しいアプローチを見つけます。例えば、サービスの提供順序を逆にしたり、プロセスのフローを変更することが考えられます。

これらの手順を踏むことで、ビジネスモデルの改善や新たなビジネスアイデアの発見に繋げましょう。

ビジネスモデルの種類

ビジネスモデルの種類は、大まかにB to B (Business to Business)とB to C(Business to Consumer)に分けられます。

B to Bは、企業間の取引を対象としたビジネスモデルで、他の企業に対して製品やサービスを提供することを目的としています。

例えば、ソフトウェア開発会社が他の企業に対してカスタムソフトウェアを提供する場合などがあります。

一方、B to Cは企業が個人消費者に直接製品やサービスを提供するビジネスモデルです。小売業やオンラインマーケットプレイスなどがその例です。

ここでは、主にB to C向けのビジネスモデルに焦点を当て、さまざまなタイプを分かりやすく紹介します。

物販モデル

物販モデルは、商品や製品を購入して在庫を保有し、それを顧客に販売するビジネスモデルです。

このモデルは昔から存在するシンプルなもので飲食店、製造業、農業など、さまざまな業界に当てはまります。

物販業者は、自社の在庫を管理し、商品を仕入れから販売までを行なう必要があります。

ただし、自社製品の開発によって、市場のトレンドにマッチし、オリジナリティや個性といった特長を生み出しやすいメリットがあります。

以下に、物販モデルの主要な要素とその仕組みについて説明します。

  • 製造・仕入れ
    物販モデルでは、まず商品を仕入れる必要があります。これは、自社で商品を生産する場合や、卸業者やメーカーから商品を仕入れる場合など、さまざまな方法があります。需要の高い商品を競争力のある価格で仕入れることが重要です。
  • 在庫管理
    仕入れた商品は保管されて在庫となります。在庫管理は効率的に行われる必要があり、需要と供給のバランスを保つために適切な在庫レベルを維持することが大切です。在庫が余りすぎるとコストがかかりますが、在庫が足りないと販売の機会を逃す可能性があります。
  • 販売
    商品を効果的に販売することが利益を生み出す重要な要素です。販売チャネルはさまざまで、実店舗やオンラインストア、マーケットプレイスなど様々な方法で商品を販売することができます。マーケティング活動や広告を通じて、顧客に商品を知らせて購買意欲を刺激することも非常に重要です。
  • フルフィルメント
    注文が入ったら、物販モデルでは商品をスピーディーかつ正確に配送することが大切です。在庫のピッキング、梱包、出荷などを含むフルフィルメントプロセスを効率的に行うことで、お客様の満足度を高めることができます。
  • 顧客サービス
    顧客満足度を高めるためには、優れた顧客サービスが必要です。商品に関する質問やクレームに迅速かつ丁寧に対応することが大切です。顧客の信頼を築くことでリピート購入を促進し、顧客との継続的な関係を築くためにはSNSなどが有効です。

小売モデル

小売モデルは、商品を購入して直接顧客に販売するビジネスモデルです。
一般的に商品を仕入れてそのまま顧客に販売します。

物販モデルとは異なり、商品を自社で製造や加工せず、通常は需要に応じて商品を仕入れるというスタンスを採用しています。

代表的な小売業態には、スーパーマーケット、ファッションブティック、電化製品店、書店、コンビニエンスストアなどがあります。また、近年ではオンラインプラットフォームを通じた販売も増えています。

企業は競争力を保つために、顧客のニーズを把握し、効果的な販売戦略を展開する必要があります。

広告モデル

企業や個人が自社のウェブサイト、アプリ、メディアなどのプラットフォーム上に広告を掲載することで、広告主から収入を得るビジネスモデルです。

広告モデルには、固定料金で広告スペースを貸し出すタイプと、クリック数や表示回数、コンバージョン率などの指標に基づいて広告料金を得るタイプの2つがあります。

ただし、後者の場合では、記事との関連性のない広告が表示されることで、自社メディアの価値が下がる可能性があります。

また、ターゲティング広告は、ユーザーが過去にクリックした広告の履歴に基づいて表示されるため、記事のコンテンツと直接的な関連性がない場合があります。

結果として、関係のない広告が邪魔となり、自社で作成した記事コンテンツの内容が十分に伝わりにくくなるというデメリットがあります。

サブスクリプションモデル

サブスクリプションモデルは、定期的に支払いをして一定期間や条件下でサービスや製品を利用するビジネスモデルです。

このモデルは、音楽ストリーミングやビデオオンデマンドなど、多くのサービスで採用されています。

具体的には、顧客は一度の購入ではなく継続的な支払いを行うことで、サービスや製品を利用することができます。

例えば、音楽サブスクリプションでは、月額料金を支払うことで無制限に音楽を聴くことができますし、ビデオオンデマンドでは、定額料金を支払うことで様々な映画やドラマを視聴することができます。

このモデルの利点は、顧客が継続的にサービスや製品を利用できることであり、一度の大きな支払いをする必要がない点です。

また、サービス提供者にとっても収益の安定化や顧客ロイヤルティの向上に繋がるメリットがあります。

サブスクリプションモデルは、便利で柔軟な形態のビジネスモデルとして、現代の消費者にとって魅力的な選択肢となっています。

サブスクリプションモデルで成功している企業には、ドル箱(ひげ剃りサブスクリプション)、レイズ(健康食のスナック)、ファーマーズドッグ(ペットフード・サブスク)などがあります。(※後ほど述べます)

フリーミアムモデル

フリーミアムモデルは、基本サービスを無料で提供し、追加機能やプレミアムコンテンツなどの有料オプションを提供することで収益を得るビジネスモデルです。

このモデルは、無料の基本サービスを通じて多くのユーザーを集め、有料の追加機能や特典によって収益を得ることを目的としています。

特にインターネットやデジタルテクノロジーの発展により、オンラインサービスやモバイルアプリなどの分野でフリーミアムモデルが広まっています。

プレミアモデルの成功の鍵は、基本サービスを無料で提供し、どれだけ多くのユーザーを集めることができるかです。

多くのユーザーを獲得することで、有料オプションへの申し込みも増えることが期待でき、それにより収益を増やすことができます。

ユーザーにとっては、無料の基本サービスを利用しながら、必要に応じて有料の機能やコンテンツを選択することができるメリットがあります。

フリーミアムモデルで成功している企業には、スポティファイ(音楽ストリーミング)、エバーノート(ノート作成プラットフォーム)などがあります。(※後ほど述べます)

ビジネスモデル成功の秘訣

小さな会社やお店が成功するためには、効果的なビジネスモデルの構築が欠かせません。
ここでは、ターゲットを絞ったビジネスモデルの構築や効果的なマーケティング戦略のポイントを解説します。

ビジネスモデルの構築ポイント

ビジネスモデルを作る際には、思い込みを捨てて、新たな視点を持つことが重要です。顧客のニーズを重視し、望まれるものに焦点を合わせます。

例えば、相手(顧客)が背中を掻いてほしいと言ったとしても、自分が掻きたい場所を掻いていては意味がありません。相手の本当の要求や悩みはそこではないかもしれません。

ビジネスモデルは顧客が望むことを実現するためのフレームを作り上げることですから、自分のやりたいことにこだわっていると上手く行きません。

相手が求める商品やサービスを提供するためには、マーケティング調査により、顧客ターゲットとその市場ニーズを把握することが重要です。

成功する小売モデルの構築法

小売モデルの成功には、顧客の視点から魅力的な商品販売を実現するビジネスモデルの構築が必要です。

ターゲットを絞り込み、確実にニーズが存在することを事前に確認しておきます。同時に、市場の規模も把握しておく必要があります。

たとえば、キーワードアドバイスツールを利用して検索キーワードの表示回数を調査し、さらにそのキーワードの意図を把握することで、Web上で購入意欲の高い顧客をターゲットにすることができます。

また、小さな会社には、大企業とは異なる戦略が必要です。局所戦や一騎打ち戦といったランチェスターの法則を考慮し、顧客ターゲットを絞り込んだアプローチが大きくものを言います。

大手企業に負けない物販モデル

小規模な企業が大手企業に負けることなく、物販モデルを成功させるには、個別のニッチ市場に特化することが重要です。

アンティーク品や手作り品、独特な味わいのグルメなどがその市場の代表的な例です。

また、SNSなど通じて、顧客との関係性を強め、その意見やニーズを製品やサービスに反映させる仕組みも必要です。

例えば、 グルメガジェット(Gourmet Gadgets)という小さな会社は、グルメ愛好家をターゲットにして、キッチン用品を販売していますが、顧客のニーズを製品に反映させるというミッションを掲げています。

この会社は競合他社と比較して、目を引く存在感がありますが、ミッションを持つことは顧客との関係(CR)を築くという意味で重要です。

ニッチ市場に特化したビジネスモデル

ニッチな市場をターゲットにすると、顧客層が狭まり、収益が増えづらいと思われるかもしれません。

しかし、市場を特化することで専門家としての評価を得られる可能性があります。そうなれば、広範な顧客を引き付けることもできます。

先ほどのグルメガジェットの例では、キッチン用品の分野で専門家として、グルメ愛好家以外の顧客にもアプローチできると言うことです。

顧客の側にしても「我が家ではグルメ御用達のキッチン用品を使っているんだぞ」といった満足感を得ることができます。

ニッチな市場では、このような効果も見越してビジネスモデルを構築することが大切です。

ビジネスモデル成功事例

小さな会社のビジネスモデルでの成功事例をご紹介します。この中には、当初は小規模だったが、独自のアプローチや戦略を駆使して大きな成果を上げた企業が含まれています。

これらの経験から学び、あなた自身のビジネスに活かすアイデアを見つけ出してみてください。

ドル箱(サブスク格安ヒゲソリ)

ドル箱(Dollar Shave Club)は、ヒゲソリのサブスクリプションサービスを行っている会社です。

毎月の一定料金で新品のヒゲソリを、自宅まで配送してくれるので、いつでも手軽に新しいひげ剃りを使用することができます。

また、低価格でヒゲソリを提供することで、価格に敏感な消費者を惹きつけ、新たなニッチ市場を切り開きました。

この戦略により、ドル箱は大手ブランドとの競争を回避しながら、シェービング市場に新たな価値を提供するビジネスモデルを構築しています。

ドル箱(ビジネスモデル分析)

1、カスタマーセグメント(顧客セグメント)
・ 男性向けのヒゲソリを必要とする消費者
・ 価格に敏感な消費者

2、バリュープロポジション(価値提案)
・ 定期的なヒゲソリの配送による便利さと利便性
・ 新品のヒゲソリを手に入れることができる
・ ヒゲソリを安価な価格で提供する

3、チャネル(販売チャネル)
・ オンラインプラットフォームを介してのサブスクリプションサービス
・ 自宅への定期的な配送

4、カスタマーリレーションシップ(顧客関係)
・ 定期的なヒゲソリの配送により、顧客との長期的な関係を築く
・ 顧客サポートや問い合わせへの対応

5、収益の源泉
・ 月額料金による収益

6、キーリソース(主要リソース)
・ ヒゲソリの在庫管理
・ 配送ネットワーク
・ オンラインプラットフォーム

7、キーアクティビティ(主要活動)
・ ヒゲソリの注文処理と配送
・ 顧客サポートと問い合わせへの対応

8、キーパートナー(主要パートナー)
・配送業者や物流パートナー
・ヒゲソリメーカーとの提携

9、コスト構造(費用構造)
・ヒゲソリの調達コスト
・配送および物流コスト
・オンラインプラットフォームの運営コスト

レイズ(サブスク健康スナック)

レイズ(Graze)は、自然素材から作られた健康食のスナックを提供するイギリスの企業です。

健康的な食生活に気を配りながらも、美味しいスナックを楽しみたいという顧客をターゲットにした新たな市場を開拓しました。

この新しいビジネスモデルでは、サブスクリプションサービスを通じて、スナックボックスを定期的に宅配するという斬新なアイディアを実現しています。

この企業のビジネスモデルをまとめると次のようになります。

  • 健康的なスナックを提供する」という健康志向の消費者をターゲットにしたビジネスモデルを採用している。
  • 「顧客の好みや食事制限に合わせてカスタマイズ可能なスナックボックスを定期的に配送する」という個別のニーズに応えるサービスを提供している。
  • サブスクリプションサービス」という定期的な配送によって、顧客の利便性を向上させつつ、収益の安定を図っている。
  • 健康意識の高い顧客」をターゲットにしたニッチ市場を開拓している。

また、ビジネスモデルキャンパスで分析すると以下のようになります。

レイズ(ビジネスモデル分析)

1、カスタマーセグメント(顧客セグメント)
・ 健康志向の消費者
・ 忙しいライフスタイルを持つ人々

2、バリュープロポジション(価値提案)
・ 健康食のスナックを提供する
・ カスタマイズ可能なスナックボックス
・ 定期的な配送

3、チャネル(販売チャネル)
・ オンラインプラットフォーム
・ ウェブサイトやモバイルアプリ経由での注文

4、カスタマーリレーションシップ(顧客関係)
・ カスタマイズされたサービスの提供
・ フィードバックの収集と顧客満足度の向上

5、収益の流れ
・ サブスクリプション料金(定期的な配送に対する料金)
・ 商品の販売収益

6、キーリソース(主要リソース)
・ 健康食のスナックの供給元
・ オンラインプラットフォームや注文処理システム

7、キーアクティビティ(主要活動)
・ スナックの調達と加工
・ カスタマイズオプションの提供
・ 定期的な配送と在庫管理等

8、キーパートナーシップ(主要パートナー)
・ 健康食品のサプライヤー
・ 配送業者
・ テクノロジーパートナー(ウェブサイトやアプリの開発など)

9、コスト構造
・ スナックの調達コスト
・ 生産および加工コスト
・ 在庫や配送等のコスト
・ テクノロジーおよびプラットフォームの運用コスト

ファーマーズドッグ(サブスクペットフード)

ファーマーズドッグ(The Farmer's Dog)は、顧客のニーズに合わせたカスタマイズされたペットフードサービスを提供しています。

顧客がサブスクリプションに登録することで、定期的に新鮮で健康的なペットフードを配送してくれます。

このため、この企業は顧客のペットに関するデータを集め、分析し、それに基づいて最適な栄養バランスのペットフードを提供することで、顧客の満足度を高めています。

ペットの健康を気にしながらも、忙しい日常を送っている人たちにはピッタリのサービスです。

ファーマーズドッグ社のビジネスモデルキャンバス分析における主要な要素は以下の通りです。

ファーマーズドッグ(ビジネスモデル分析)

1、顧客セグメント
・多忙な日常を送るペットの飼い主
・ペットの健康を気遣う飼い主

2、価値提案
・ペットの個別ニーズに合わせたフードの提供
・長期的なペットの健康管理のサポート

3、チャネル
・オンラインプラットフォームからの直接販売
・サブスクリプションによる定期配送

4、顧客関係
・ペットの健康を促進する栄養バランスの提案
・顧客のフィードバックに基づいた改善とカスタマイズの提案

5、収益の流れ
・サブスクリプション料金
・追加の商品やサービスの提供による収益

6、キーアクティビティ
・ペットフードの調理やパッケージング
・顧客データの収集と分析
・フードの管理、配送

7、キーリソース
・高品質な食材や調理施設
・物流インフラ、データ分析のための技術など

8、パートナーシップ
・食材サプライヤーや物流パートナー

9、コスト構造
・食材調達、調理施設の維持、物流コスト、技術開発など

スポティファイ(音楽カスタマイズ)

スポティファイ(Spotify)は、音楽ストリーミングのフリーミアムモデルを採用している企業です。

ユーザーは無料で基本的な音楽ストリーミングサービスを利用することができます。

また、カスタマイズされた楽曲やプレイリストを提供するプレミアムオプションも用意されています。(個々のリスナーの好みやリスニング履歴の分析による)

これにより、ユーザーは自分自身に合った音楽を探索したり、独自の音楽体験を楽しむことができます。

さらに、サブスクリプションサービスに加入することで、ユーザーは数百万曲のカタログにアクセスしたり、ポッドキャストやビデオを視聴することも可能です。

スポティファイのビジネスモデルキャンバス分析における主要な要素は以下の通りです。

スポティファイ(ビジネスモデル分析)

1、顧客セグメント
・音楽を聴く人々(一般ユーザー)
・独占コンテンツに興味のあるユーザー

2、価値提案
・無料で基本的な音楽ストリーミングサービスを提供
・個別のニーズに合わせたカスタマイズされた音楽を提供
・プレミアムオプションで高度な機能や特典を提供

3、チャネル
・ウェブプラットフォームとモバイルアプリを通じた直接配信
・広告やパートナーシップを通じたマーケティング

4、顧客関係
・ユーザーの履歴や好みに基づいたカスタマイズの提供
・プレミアムユーザー向けの優先サポート

5、収益の流れ
・プレミアムプランへの有料加入
・広告収入
・パートナーシップや提携による収益

6、キーアクティビティ
・音楽コンテンツの収集、ライセンス、カタログ管理
・ユーザーデータの収集と分析
・サーバーの維持管理とストリーミング技術の提供

7、キーリソース
・音楽カタログとデータベース
・技術基盤(ストリーミング技術やアルゴリズム)
・ユーザーデータの分析と処理能力

8、パートナーシップ
・レコード会社や音楽アーティスト
・広告主や広告ネットワーク
・デバイスメーカーやモバイルキャリア

9、コスト構造
・音楽ライセンス料
・プラットフォームの維持管理
・データ分析とパーソナライゼーションのための技術リソース

エバーノート(オンラインノート作成)

エバーノート(Evernote)は、ノート作成と情報整理のオンラインサービスです。フリーミアムモデルを取り入れ、業界で先駆的な役割を果たしています。

基本機能としてノート作成や同期機能などを無料で提供し、プレミアムプランでは有料で容量の拡張などのオプション機能を利用できます。

ユーザーは無料でアカウントを作成し、基本のノート作成や情報の整理・同期機能を利用することができます。これにより、多くのユーザーが気軽に試すことができるようになっています。

エバーノートの競合他社との差別化ポイントには、「あらゆるデータをスムーズに保存することができる」「WEBクリップという独自の機能」などが挙げられます。

以下はエバーノートの3C分析によるビジネスモデルの要点です。

エバーノート(3C分析)

1、顧客(Customers)
・ 情報の整理やノート作成を必要とする個人やビジネス利用者
・ 学生、プロフェッショナル、創造的な仕事をする人、プロジェクト管理者など

2、競合(Competitors)
・ ノート作成や情報整理に特化したオンラインサービス
(Microsoft OneNote、Google Keep、Apple Notesなど)
・ タスク管理アプリやプロジェクト管理ツール

3、会社(Company)
・ 優れた技術力とソフトウェア開発の能力

フタバフルーツ(ケータリング果物アート)

フタバフルーツは、果物をアート作品として扱い、ケータリングで提供するユニークなビジネスモデルを構築したお店です。

多種多様なフルーツを使い、青果店としての専門知識を活かし、魅力的な演出を行うことで人気を得ています。

もともとフタバフルーツは、地元のごく普通の小さな青果店でした。80年以上の歴史を持ちながらも、時代の流れに追いつけずに衰退していく状況にありました。

しかし、フタバフルーツは、果物を単なる食べ物としてではなく、アート作品として捉え直す、つまりリフレーミングすることで、従来の青果店とは異なる独自のビジネスモデルを構築したというわけです。

このようにリフレーミングは、ビジネスモデル構築において、問題解決や創造的な思考の手法として大きな成果を上げることができます。

新たな視点を取り入れることで、新しいアイデアや可能性を見出すことができるため、イノベーションや改善に役立ちます。

リフレーミングによって、既存の枠組みや常識にとらわれず、新たな発想やアプローチを生み出すことが重要であることをフタバフルーツは示してくれました。

以下はフタバフルーツの3C分析によるビジネスモデルの要点です。

フタバフルーツ(3C分析)

1、顧客(Customers)
・ 多種多様なフルーツの見た目を楽しみたい人
・ 華やかな演出を望んでいイベント運営者

2、競合(Competitors)
・ ケータリング会社
・ 青果店など

3、会社(Company)
・ 80年の歴史を持つ地元の青果店としての強み

海外ビジネスモデル最新トレンド

海外では、顧客の体験や個別のニーズに焦点を当てたカスタマイズを重視した、独自でユニークなビジネスモデルが増えています。

例えば、トランククラブという企業は、自宅で試着と購入ができるサービスを最初にスタートさせました。

この小さな会社のビジネスモデルは、単なる商品の販売に留まらず、顧客の満足度を高める体験を提供することで成功しています。

現在、このトレンドはオンライン眼鏡市場にも広がっており、ウォービー・パーカー、自宅で眼鏡を試着できるサービスを行っています。

また、 身近なところではアマゾンの「スワイプして即座に注文可能」な機能があります。

この機能は、売り上げを増加させるだけでなく、顧客にスムーズで楽しい注文体験を提供しているとも言えます。




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